みんなの日本語初級・漢字指導のコツ!授業の進め方【解説】

Kanji-practice

こんにちは、ハルです。

初級クラスの漢字指導をどのようにしてますか?

学習者のほとんどが「漢字は苦手!」というくらい、漢字に対して苦手意識を持っています。
特に非漢字圏の学習者にとって、漢字は図形にしか見えないようで覚えるのに苦労します。

しかし、日本で生活するうえで、漢字はあらゆる場所で目にします。
ましてや、日本での就職を考えたとき、漢字の読み書きができないとその可能性を少なくしてしまいます。

それは分かるけど漢字の教え方って難しいですね。
私も漢字の時間はいつも頭を抱えます。

どうやって教えたらいいの?
教えてもなかなか覚えられない。
漢字の教材は何を使っているの?

悩んでいる先生方も多いのでは?

そんな先生方のお悩み解決のヒントになればいいと思い、私の学校で行っている漢字指導の進め方を解説します。

日本語学校の授業構成

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私の勤める日本語学校は、ネパール、ベトナム、スリランカ、ミャンマー、バングラディシュ、インドネシア、フィリピン…とほぼ非漢字圏の留学生ばかりです。
ですから、漢字はみんなが同じスタートラインから学習を始めます。

授業は1日45分授業を4コマ行います。
「みんなの日本語初級第2版」のテキストを使用する初級クラスでは、4コマのうち1コマ弱を漢字の時間に使っています。

漢字はその課と同時進行か、少し後追いする形でスケジュールを組んでいきます。

同時進行のメリットは、(1課を3日で学習するとして)

・1日目は語彙導入・前課の漢字の小テスト
・2日目は漢字の書き
・3日目は漢字の読み

といった形で進め、毎日語彙や漢字に触れる時間を作ることで記憶に残りやすくなります。

また、少し後追いする場合のメリットは、漢字を学習しながら語彙や文型の復習ができ定着につながりやすくなることです。

授業で使用するもの

漢字指導で学生が使用しているものは3つ。

1.みんなの日本語初級第2版 翻訳・文法解説
2.漢字プリント(学校オリジナル)
3.漢字練習帳(マス目)

みんなの日本語翻訳・文法解説は、英語版やベトナム語版など、学習者の母語に合わせたものを使います。

漢字のプリントは学校のオリジナルになりますが、「みんなの日本語初級 第2版 漢字練習帳」に似たもので、課ごとの漢字語彙の筆順と例文が書かれています。

ノートはマス目の大きい漢字練習帳です。
日本の小学校の低学年で使用するあの漢字練習帳です。

マス目ノートは初級クラスで漢字の練習をするのに最適です。
なぜならば、バランスのとり方がわかりやすいからです。

漢字は正しい書き順で書くことが重要と言われがちですが、学習者にとってはバランスが一番大事です。

バランスがおかしい漢字は何か違う漢字に見えてしまいます。
せっかく正しい漢字を書いても読めなければ意味がありません。

ですから、マス目ノートに例と同じように書く練習をさせることが大切です。
最初はマス目の使い方がわからずバランスが悪い字を書きますが、だんだん使い方が上手になります。

私は、正方形にカットしたマグネット式ホワイトボードに油性ペンでマス目を書き、それに漢字の見本を書いて見せています。

また、マス目ノートのいいところは、机間巡視のときバランスの悪いところを指導しやすくなることです。

授業の進め方

実際に私が行っている漢字指導の流れを説明します。

学校によっては、「みんなの日本語初級 第2版 漢字練習帳」を使用しているところもあると思いますが、私の学校ではこのテキストを学生に配布しておらず、オリジナルの漢字プリントで対応しています。
学生が漢字練習帳を使用している場合はこのテキストで進めればいいです。

ただ、この練習帳は2課ごとになっているのがマイナス点で、1課ごとに漢字を教えるなら工夫が必要です。
できれば1課ごとに漢字を学習した方が、学習者の負担は少なくなります。
本冊と翻訳本で課ごとの漢字語彙をピックアップすることをおススメします。


翻訳・文法解説に出てくる漢字語彙の中には【書けるようになる漢字】【読めるようになる漢字】があります。
「みんなの日本語初級 第2版 漢字練習帳」には【書きの練習】と【読みの練習】に分かれているのでそれを参考にします。

【書けるようになる漢字】は「いち、に、さん…」と、画数を言いながらホワイトボード(myマス目ボード)に書いていきます。
その際、バランスや「とめ」「はね」にも注意させながら書きます。

その後、ノートに数回漢字を書かせます。
机間巡視しながらバランスをチェックしていきます。

今日の漢字を全部書いたら、ノートの白紙のページを出させて確認テストをします。
①読みを言って、ノートに漢字を書かせる。
②その上に読み方をかかせる。
③母語で意味を書かせる。

分からないときは、翻訳本で意味を調べさせます。
「自分で調べて書く」という作業が重要なので必ず行います。

【読めるようになる漢字】は漢字カードを見せながら何度も読みの練習をします。
書けなくても読めるようになればいいので、学生の負担も少ないです。
その課の例文を使って練習すれば文型の定着にもつながります。

課のまとめとして、【書き】と【読み】の小テストをしています。
間違えの多い漢字や、バランスが悪い漢字を全体でフィードバックします。
間違えた漢字は正しく書き直しさせてチェックすることが大切です。

まとめ

私は漢字指導の際、漢字のパワーポイントを作成しています。

1課ごとに、【書けるようになる漢字】は筆順と例文、【読めるようになる漢字】は例文と併せてフラッシュカードにして繰り返し練習できるような形にしています。

漢字は繰り返し覚えるしかありません。
漢字語彙が増えれば、語彙を連想させて広げていくゲームや、部首のパズルをしたりすると楽しみながら覚えることができます。

1日のスタートと終わりに少しずつ漢字を練習するのも効果的でした。

ぜひ、みなさんの漢字指導の参考にしてください。

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