留学生の【就職】ガイド【面接のコツ】入退室で気をつけるポイント

こんにちは、ハルです。

みなさんの日本語学校では専門学校や大学への進学指導で、面接の練習をさせていますか?

面接の練習をしているけど、いまいち面接のルールがわからない!と聞くことがあります。

ネットで検索すると、いろいろな情報が出てきますがそれは日本人向けのものが多いので、留学生の面接では何に気をつけたらいいのか?悩むところです。

大学や専門学校の先生は面接で何を見ているのか?

実際に専門学校の入試で面接官を担当している私が、面接で気をつけるポイントを解説します。
今回は面接の成功の鍵を握ると言っても過言ではない、【入退室】について解説します。

私は前職で日本人の就職支援に携わってきたので、その経験を活かし現在は日本語教師目線で留学生の就職支援もしています。

これを読めば、進学指導だけではなく、就職指導、会話テストの入退室にも役立ちます。

入退室ですべての印象が決まる

日本人の就職支援をしていた時に、企業の人事の方とお会いして話を聞く機会がよくありました。

その中で印象的だった話が、面接は「入室してから15秒で決まる。」という言葉でした。

「15秒」というのは、ノックをしてドアを開け、入室し、学校名と名前を言って着席するまでの時間。

その印象が良ければその後の話を前向きな気持ちで聞くことができるが、その印象が悪ければその後どんなにいい話をしても前向きに聞けない、ということでした。

入退室というシンプルなものは、練習さへすれば誰でもできるようになるものであるので、それができないということは、面接に対する意気込みや、相手に対する真摯な気持ちに欠けるとみられるようです。

そんな人と一緒に仕事をしたくない。大事な取引先を任せられないとなり、結果不合格になってしまいます。

ですから、入退室はとても重要であり、何度も練習をさせないといけません。

実際の入試でも練習してきた人と、していない人では大きな差があります。
それは、人の評価だけにとどまらず学校の評価にも繋がります。

ここの学校の先生はきっと熱心に指導しているな…
厳しく指導してもらっているので、入学後も頑張れるだろう…と考える訳です。

実際に当校の入試の評価に、身だしなみ、マナーという項目があります。
練習さへすれば、この項目はポイントを稼げるところなのでやらない手はないです。

では、留学生は何に気をつけて練習したらいいのか。
詳しく見ていきましょう。

入室の流れ

ノックは3回

ノックは3回が基本です。
「2回はトイレのノックですよ。失礼ですよ。」と教えるとすぐに覚えます。

ノックの仕方も注意が必要です。

留学生にやらせると、早い、小さい。
ゆっくりトン、トン、トン。と3回ノックします。

中から「どうぞ。」の声が聞こえたらドアをゆっくり開けます。

ドア問題!?

ここで、問題になるのがドアの仕様です。

ドアには引き戸もあれば、押して開けるタイプもあるし、引いて開けるタイプのものもあります。

ドアを開けて、そのドアが開いた状態をキープできればいいですが、手を離すと戻ってきてしまうドアもあります。

練習した時と違うドアのタイプだと、そこで留学生は焦ります。

ですから、私はドアを開けたら、まず閉めてから「失礼します。」と言わせる練習をさせます。

  1. ドアを開けます。
  2. ドアの方を向いて両手で閉めます。
  3. ドアの前で姿勢を正し、面接官の目を見て「失礼します。」
  4. ゆっくり礼をします。
  5. もう一度姿勢を正し、面接官の目を見ます。

注意する点は、ドアは両手で閉める。後ろ向きに閉めない。必ずドアの方を向いてゆっくり閉めること。

ドアを閉めたら面接官の方を向いてきれいに立ちます。

「きれいに」といったのは、留学生はきれいに立てません。
背筋を伸ばし、両手を男性は体の側面でまっすぐ伸ばし、女性はおへそあたりで重ねて、胸を張るように立ちます。

猫背だったり、手がダラダラだったり、脱力してたり…
ここを直すのに時間がかかります。

「失礼します。」と言ってからお辞儀をします。
必ず、「失礼します。」と言い終わった後でゆっくり礼をします。

言いながら礼をするのはきれいではありません。
しかし、これは一回練習しただけではなかなか身につくことできません。

私の学校では毎日の授業前後の挨拶で「よろしくお願いします。」と「ありがとうございました。」をこの礼の仕方で練習させています。

非常勤の先生方にも協力していただき、上手にできない場合は何度もやり直しをさせます。
ですから、挨拶だけはきれいにできるようになります。

「失礼します。」で気をつけることがもう一つ。
「失礼しまーす。」と言わないこと。

「しまーす。」と日本人も伸ばす人が多いですが、留学生はほぼ全員が伸ばします。

これは何度練習してもなかなか直りません。
クセですね。しかし印象は良くないので直さなければいけません。

「失礼します。」を言ったあとゆっくり礼をします。
ゆっくりです。

1,2,3で頭を下げて→キープ→4,5,6で頭を戻す。

心の中でゆっくり1,2,3_4,5,6と数えます。

頭をあげたらた面接官の顔をみて立ちます。

立ち位置は大丈夫?

  1. ドアから歩いて椅子の横に立ちます。
  2. 学校名と名前を言います。
  3. 「どうぞ」と言われたら、「失礼します。」と言って座ります。

注意点は、椅子の後ろに立つ人が多いですが、横に立つように教えることです。
椅子の横に立ち、学校名と名前を元気よくゆっくり言います。

緊張するとついつい早口になってしまいますが、外国人の名前をスラスラ言われると聞き取れないことがあります。

相手に、しっかり自分の名前が伝わるように言うことが大事です。

「どうぞ」と言われてから「失礼します。」と言って座ります。
椅子の横に立っているので、斜め前に一歩出て椅子の前に移動し、その後座ります。

座る際、背もたれに拳1個分のスペースを開けて、背筋を伸ばして座ります。

男性は、軽く手を握り膝の上に、足は少し開きます。
女性は、手を重ねて膝の上に、膝をつけて足を揃えます。

話していると、姿勢が乱れる人が多いので、最後まで緊張感を持ってこの座り方をキープします。

退室のしかた

  1. 椅子の横に立って挨拶。
  2. ドアまで歩いて面接官の方を向き「失礼します。」と言う。
  3. 両手でドアを開けて退室。
  4. ゆっくりドアを閉め、軽く頭を下げる。

「これで今日の面接は以上です。」と言われたら、先ず座ったまま「ありがとうございました。」と言います。

その後立ち上がって、椅子の横に立ちます。
「本日はお時間をいただきありがとうございました。」と言ってゆっくり礼をします。

礼は言葉が終わってからです。

ドアまで歩いたら、面接官の方に向きを変えて、面接官をしっかり見て「失礼します。」と言います。

両手でドアを開け、部屋を出てゆっくりドアを閉めます。
この時、ドアが閉まるまで頭を少し下げておくといいでしょう。

見えなくなるまで気を抜かないことです。
ついつい、部屋の外に出たら緊張感がほどけて片手でバンッとドアを閉める人がいます。

せっかく上手にできた面接が水の泡になってしまいます。


まとめ

特に注意して教えたいのが、立ち方と挨拶の仕方です。

立ち姿が猫背だったりすると自信がなさそうに見えたり、印象が悪くなります。

立ち方も挨拶も毎日練習してこそ本番で発揮できます。
これは一夜漬けではなんともなりません。

毎日、授業前、授業後で練習したら、1日4コマなら8回練習できます。

私は仕事で他校の学生に会う機会がありますが、当校の学生は他校の学生より挨拶が上手できるな…と感じています。
毎日の積み重ねは大きな力になります。

また、「面接の練習」と考えると、2年生になってからと考えがちですが、2年生になってから練習していては遅いです。

留学生の場合、身につけるまでに時間がかかります。

1年生からやって来年の進学に間に合うと考えましょう。
面接で話す内容(自己PR・志望動機)もそうです。

定期試験で会話テストを行う学校も多いと思うので、その際に入退室からやらせることをお勧めします。

ぜひみなさんの学校でも取り入れてみてください。



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