日本語の授業【パワーポイントの作り方】3つのポイント【初心者向け】

power-point

こんにちは、ハルです。

日本語教師になりたての頃、教材作りに苦労しました。

私はパソコンが得意ではないので、どのようにしたらパワーポイントでわかりやすい教材が作れるのか?

コツをつかむまで試行錯誤しました。

お悩みさん
お悩みさん

フォントは何がいいの?
文字の大きさは?
ルビの簡単なつけ方は?
気をつけるポイントは?

初心者の先生にとって悩む問題です。

haru
haru

パワーポイントを作るポイントは

シンプルであること!です

現役日本語教師の私が、経験から身に付けたシンプルでわかりやすいパワーポイントの作り方を教えます。

これを読めば、見やすく、わかりやすいパワーポイントが作れるようになります。

これから採用試験を受けようと考えている方の模擬授業にも役立つポイントです。

フォントと文字の大きさ

computer

パワーポイントで教材を作る際、一番重要なのがフォントと文字の大きさです。

この4つの文字を見比べてください。

上から
・MS明朝体
・HGゴシック体
・HG教科書体
・UDデジタル教科書体NK-R

どのフォントが見やすいですか?

初めて見る言語の字体が読みにくいものでは学習者の学習意欲を下げてしまいます。

漢字学習では教科書体を使っている先生方が多いですが、文型導入や練習では多くの先生方がユニバーサルデザイン教科書体【UDデジタル教科書体】を使っています。

【UDデジタル教科書体】はデジタル教科書をはじめとした教育現場で効果的な書体と言われています。

書き方の方向や、はらい、点の形状を保ちながら太さの強弱を抑え、弱視や識字障害の方に配慮された、学校で文字を習う子供たちに向けて作られたデザインです。
今はニュースのテロップなどにも使わています。

ですから学習者のように、初めて日本語を学習する人にとっても見やすいと言われています。
私は日本語教師になってからこの書体でパワーポイントやプリントを作成しています。

次に文字の大きさです。

私は、例文や練習問題の場合は44~48のサイズを使っています。
経験上、これ以上小さくすると後ろの席の学習者に見えにくくなります。

また、語彙の練習では72のサイズを使っています。

文字が小さくなると、ルビはもっと小さくなります。
初級ではルビは絶対必要なので文字の大きさには注意が必要です。

ただ、大きければいいという問題ではなく、一文を改行しないで書ける大きさにしています。
一文が2行になってしまうと、学習者には読みにくくなります。
文字を読み取る作業は学習者にとって大変難しいので、負担なく読めるサイズに調整しています。

色使いについては、3色までにしましょう。

ついついカラフルにしたくなりますが、色が多いと見るほうにとっては目がチカチカしてしまいます。

私は、文字は黒、目立たせたいところは赤と濃青を使っています。

漢字にはルビをつける

パワーポイントを作るとき、初級クラスの場合は必ずルビをつけましょう。

語彙レベルの変換練習も、文レベルの練習も、パワーポイントに載せる漢字は全てルビをつけます。

それは、漢字が読めなくて問題ができないのでは練習の意味がないからです。

変換練習や例文を提示するのは漢字を読ませることが目的ではなく、文型を練習するためのものです。

ですから、文型に集中して学習できるように、漢字を勉強するパワーポイント以外はルビをつけるようにしましょう。

ルビのつけ方

みなさんは、パワーポイントの文章にどのようにルビをつけていますか?

私のやり方はWordを挿入する方法です。

挿入の仕方は

PPTの挿入からテキストの所にあるオブジェクトの挿入をクリック。

この画面が出てくるので、

新規作成→Microsoft Word Documentを選択→OK

すると、この画面が出てきます。

ここに文字を打つ→フォントと文字の大きさを決める→漢字を選択してルビをつける。
Wordのやり方と同じです。

挿入後はカーソルを合わせて配置場所を移動させたり、文字の大きさを変えることもできます。
もちろんルビも一緒に移動したり大きさが変わります。

先生の中にはPPTのテキストボックスを使い、漢字入力→その上にひらがな入力→フォントサイズを小さくしてルビにする。というやり方をしている方もいらっしゃいますが、一回ごとその作業をするのは大変だと思います。

Wordを挿入したスライドを1枚作成すれば、後はスライドの複製やコピペで使えるので授業準備の時短になります。

気をつける3つのポイント

フォント、文字の大きさ、色以外にパワーポイントで気をつけることが3つあります。

1.情報量を多くしない

1ページに情報を詰め込みすぎないことです。

時々、1ページに文字、文字、文字…情報が多いパワーポイントを見ることがあります。

想像してください。
自分が知らない言語を学ぶとき、ホワイトボードいっぱいに文字が書いてあったら、どんな気持ちになりますか?

きっと、わからない、難しい、楽しくない…となりますよね。
情報量には注意が必要です。

*みんなの日本語初級Ⅰ 18課「~ことができます」

私は1ページに、例文1行と絵だけにしています。
特に初級では絵の割合が大きいです。

中級より上のクラスなら会話文で4~5行書きますが、文字だらけにならにように気をつけています。

2.アニメーションを使いすぎない

教師になりたての頃、アニメーションがカッコいいと思い、いろいろ使っていましたが、アニメーションって見る側にとってはうっとうしいということに気付き、今は最小限にしています。

作る側の好みが出やすいパワーポイント作成ですが、これはプレゼンテーションの資料ではありません。

語学を教える教材であることを忘れないようにしましょう。

相手にとって見やすい、わかりやすことが最も重要なことです。

私はアニメーションは変換練習によく使用しています。

 
*みんなの日本語初級Ⅰ 15課「~もいいですか」

3.パワーポイントに頼りすぎない

パワーポイントのいいところは、板書の時間を省略でき、授業時間を有効に使えるということ。

ただ、パワーポイントに頼りすぎるのもどうかな…と個人的には思います。

パワーポイントはテンポよく進めることができる反面、テンポがよすぎて記憶に残らない…と言うこともあります。

学習者は考え、整理し、アウトプットしながら理解し記憶に残していきます。
ある程度の時間が必要です。

あまりに淡々と進めていくと、流れ作業になり記憶に残りません。

時には、文字カードを見せて練習したり、板書して学習者に考える時間を与えることが文型定着につながることもあります。

授業は常に工夫が必要です。

私は初級クラスを担当する際、接続の形だけはホワイドボードに貼っておきます。
これは100均で売っているクリアファイルにマグネットがついた優れもの。
中に接続を書いた紙を入れています。

イラスト

有り難いことにフリーのイラストがたくさんあります。
そして驚くことに日本語教師が欲しいイラストがほとんど作られていて助かります。

個人的には一つのサイトからイラスト使うとパワーポイントに統一感があっていいなぁ…と思っています。

私はいらすとやさんのイラストが好きで使わせていただいています。
いらすとやさんのイラストは同じ人物でいろいろいろな場面があるので重宝します。
本当に有り難いです。

イラスト、写真などを使用する場合は、著作権に十分注意しましょう。

まとめ

パワーポイントでの教材作りのポイントはシンプルであること。

  • フォント UDデジタル教科書体
  • サイズ 例文44~48 語彙は72
  • ルビを必ずつける
  • 色 3色まで
  • 情報量を多くしない
  • アニメーションを使いすぎない
  • パワーポイントに頼りすぎない
  • イラスト、写真は著作権に注意する

学習者にとっていい教材を作りの参考にしてください。

また、これから日本語教師を目指す皆さんにとって最初の授業は模擬授業になると思います。
パワーポイントでダメ出しされないように、作る際の参考にしてください。



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