留学生の【履歴書】ガイド②【自己PR】の書き方のコツ・例文あり

こんにちは、ハルです。

留学生の履歴書指導の第二弾は自己PRの書き方です。

そもそも文章を書くのが得意ではない留学生が、日本語で自分の長所をアピールするのは難しいことです。

想像してみてください。
習いたての言語で自己PRを書いてください!と言われてすらすら書けますか?
私なら書けません。

しかし、ここが上手に書けないと、書類審査を通過できません。

日本人の就職支援に携わり、何百人もの履歴書の指導をしてきた私が、留学生にも簡単に自己PRが書けるコツをお伝えします。

これを読めば履歴書だけではなく、留学生に文章を書かせるコツが分かります。

文章の構成はハンバーガー

文章を書くとき最も重要なのが構成です。

構成を考えず書き始めた文章は分かりづらく、読みにくいです。
そんな文章では書類審査を通過できません。

そこでよく聞く構成が

  1. 結論
  2. 理由
  3. 結論

この書き方です。

文章の一行目は一番言いたいことを書きます。
いわゆる結論です。

それから、それを証明できる理由を具体的に書いていきます。

そして最後にもう一度結論で締める。

私は学生に「ハンバーガーで書く。」と教えます。

バンズが結論でパテが理由です。
自分が書いた文章がハンバーガーになっているか確認させると、正しい書き方に修正ができます。

とは言え、ハンバーガー方式でも、学生がいきなり長文を書くのは難しいです。
留学生には次の方法で進めていきましょう。

初めから文章を考えない

文章を書く際に難しいと思うのは、最初から長い文を書こうと思うからです。

母語以外で長文をすらすら書ける人は優秀な人です。

そこで、留学生には先ず短文から考えさせます。

短文が難しければ箇条書きでもいいです。

ハンバーガーのポイント部分を短文で考え、それをフレームに当てはめていく方法を取ると、それなりにいい文章に仕上がります。

それではその方法を詳しく見ていきましょう。

短文作りから始める

構成はハンバーガーです。
もう少し細かく分けて考えさせます。

1.あなたの長所は?
2.その中で一番いいと思うところは?
3.それが発揮できたエピソードは?
4.そこから学んだことは?
5.会社でどう活かすか?

1と2が結論の部分
3と4が理由の部分
5がまとめでもう一度結論の部分になります。

考え方を見ていきます。


1.あなたの長所は

自分のいいところを箇条書きで書かせます。

・頑張る人
・誰とでも仲良くできる
・優しい
・ルールを守る

など、思いつくことをたくさん書かせます。

自分だけで思いつかなければ、友だちからどのように言われるかなどヒントを与えます。

2.その中で一番いいと思うところ

たくさんでてきたいいところの中で、自分の一番いいところだと思うものを一つ選びます。

例えば、「頑張る人」を選んだとします。
「頑張る人」では抽象的なので少し肉付けを手伝います。

頑張る人 → 私は最後まで諦めずに頑張ることができます。
肉付け例:
誰とでも仲良くできる → 誰とでも協力して取り組むことができる。
優しい → 相手のことを考えて行動できる。
ルールを守る → 責任を持って取り組むことができる。
最初の一行目は自己PRを書くとき最も重要なので、肉付けを手伝ってあげましょう。

3.それが発揮できたエピソード

「最後まで諦めすに頑張ることができた」ことが証明できるエピソードを考えます。

大学生なら、サークルやゼミの研究、地域のボランティアなどありますが、専門学校の留学生の場合、エピソードと言ったらアルバイトのことか日本語の勉強を頑張ったことになります。

母国で何かいい経験をしてきている人はそれを書けばいいです。
例えば、スポーツの大会に出ている、会社で働いた経験がある、インターンシップの経験がある。

くわしく具体的に書けることが重要です。

エピソードを書く際も、いきなり文章にしなくていいです。

次の3つのことを短文で考えてみましょう。
*アルバイトのエピソードを書く例で説明します。

①アルバイトを始めたとき何が大変だったか?
②その大変だったことをどのように工夫したか?
③その結果どうなったか?

短文が難しかったら箇条書きでもいいです。

①漢字が読めなくて苦労した。
②毎日、漢字の練習をした。
先生に漢字の読みを教えてもらった。
③メニューを全部覚えた。
新しく入ったアルバイトを教える人になった。
ここでのポイントが、履歴書の自己PRを書く際、数字を書くと説得力が増します。
書けることがあったら書きましょう。
例えば
  • レストランで3年間アルバイトを続けている。
  • 毎日、30分漢字を練習します。
  • 売上が15%アップしました。

できるだけ書ける数字を探して書くといいです。

4.そこから学んだこと

エピソードからどんなこと学んだかを書きます。

先ほどの例で考えると、

頑張れば何でもできるようになる
エピソードを考える際、
困難なことがあった → 乗り越えた
の順番で話を考えます。
乗り越えたときに学んだことが自己PRで最も重要なポイントになります。
ですから、ここは必ず書きます。

5.会社でどう活かすか?

この強みを会社に入ってどう活かせるかを考えます。

また、入社後の目標を書くとさらにいいです。

例えば、

・分からないことがあっても頑張る。
・将来〇〇の仕事ができるように仕事を早く覚える
なかなか目標を持っている人は少ないです。
しかし、5年後、10年後のビジョンを描けていることは就職活動においてとても重要です。
別の機会に、将来設計を考えさせる時間を取るといいでしょう。

フレーム書きで好印象な履歴書に!

ここまで短文もしくは箇条書きができたら、いよいよ文章にまとめていきます。

その際、フレームに当てはめて考えさせることをおすすめします。

一行目はすでにできています。

私は最後まで諦めずに頑張ることができます。

次に具体的なエピソードをフレームに当てはめます。
書き出しは、

私はレストランで3年間アルバイトをしています。

①のフレーム
「     」という問題がありました。
「     」ができませんでした。
「     」が難しかった。
このフレームに先ほど考えた短文を当てはめます。
① アルバイトを始めたころ、漢字が読めなくてメニューが分からないという問題がありました。
②のフレーム
そこで、「     」をしました。
「     」を気をつけました。
「     」努力しました。
さらに(また)「    」をしました。
② そこで、わからない漢字を調べて家で覚えるようにしました。
  また、意味が分からないことばは学校の先生に聞いて分かるようにしました。
③のフレーム
その結果、「     」になりました。
今では、「     」もできるようになりました。
③ その結果、メニューや仕事を全部覚えることができ、今では、新しく入ったアルバイトの教育を任されるようになりました。
そこから学んだことのフレーム
この経験から、「    」を学びました。
この経験から、諦めずに努力すれば何でもできることを学びました。
会社でどう活かすか?のフレーム
この強みを活かして、入社後は「     」し、〇〇〇を任されるように努力します。

この強みを活かして、入社後は難しいことも諦めずに頑張り、将来は〇〇を任されるように努力します。


最後に誤字脱字チェック

短文(箇条書き)が書けたら、文章にまとめる。

その際にフレームに当てはめさせると、誰でもそれなりの文章が完成します。

私は最後まで諦めずに頑張ることができます。
私はレストランで3年間アルバイトをしています。
アルバイトを始めたころ、漢字が読めなくてメニューが分からないという問題がありました。
そこで、わからない漢字を調べて家で覚えるようにしました。
また、意味が分からないことばは学校の先生に聞いて分かるようにしました。
その結果、メニューや仕事を全部覚えることができ、今では、新しく入ったアルバイトの教育を任されるようになりました。
この経験から、諦めずに努力すれば何でもできることを学びました。
この強みを活かして、入社後は難しいことも諦めずに頑張り、将来は〇〇を任されるように努力します。
接続詞や肉付けの言葉を足してあげると、文章の印象がさらによくなります。
最後に漢字の間違いがないか?助詞が抜けていないか?チェックしましょう。

まとめ

留学生にとって文章を書くことは苦手意識もあり難しく思いますが、この短文で考えてから文章にまとめる方法を取ると文章を書くことが少し楽になると思います。
また難しいことは真似ることから始めると上手くいくこともあります。
フレームという見本を示し、それを真似させて練習していくと、そのうちフレームがなくても文章が書けるようになるかもしれません。
この方法は、願書を書く際にも役立ちますし、作文を書く際の練習にも応用できます。
ぜひ進学指導や授業でもお役立てください。
第三弾は志望理由の書き方のポイントを解説します。

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