こんにちは、ハルです。
日本語学校に留学生が戻ってきた今!日本語教師として働くチャンスです。
養成講座も卒業したし、そろそろ働く場所を決めなくちゃ!と考え始めたけど、専任と非常勤ではどちらがいいんだろう…?と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そこで、専任と非常勤の働き方、仕事、収入、徹底比較し、メリット、デメリットを解説します。
これを読めば自分にあった働き方が見つけられます。
比較1 働き方
専任の場合、月曜日から金曜日、8時半~17時半までが勤務時間となっています。
17時半までになっていますが、定時ぴったりに帰宅することはなかなか難しいです。
学校というものは、毎日同じことの繰り返しではなく、予期せぬハプニングや、学生対応に追われます。
私の勤める学校は比較的残業は少ない方ですが、毎日定時か?というとそうではありません。
これは職場の雰囲気によるかもしれません。
また、専門科のある学校だと、土曜日にオープンキャンパスをやったり、受け入れ時期には休日に空港へお迎え…という仕事があったりします。
どこも少ない人数で学校運営をしているので、専任なら日本語の授業以外のことをするのは当然のことになります。
ですから、専任で働く場合、自分のために時間が使える方でないと難しいです。
小さなお子さんがいたりすると大変かもしれません。
一方、非常勤の場合は自分で働く時間を調整できます。
1日45~50分の授業を4コマ担当します。
9時に授業が始まるとすると、13時前に授業が終わります。
準備もあるので、多くの先生方は20~30分前に学校にいらっしゃいます。
授業後、授業報告を書いたり、小テストの採点や結果を記載したりして15~30分後に帰えられます。
なので、学校に拘束される時間は8時半~13時半(最長)になります。
学校での拘束時間は5時間になりますが、非常勤の場合時間外労働が発生します。
授業準備です。
日本語教師になりたての頃は授業準備に時間がかかります。
授業がない日、自宅でこの作業をしなければいけませんが、1日の担当文型に何時間、いや1日かけて作る…なんてこともあります。
当然のことながら時給は発生しません。
ここが、日本語教師は割に合わない!と言われるところです。
では、専任は?というと、勤務時間内で準備をすることができます。
ただ、学生対応に追われたり、他の業務に時間がとられたりする場合があるので、100%勤務時間内で作ることができない場合もあります。
とくに、初心者の頃はそうで、私も土曜は自宅で授業準備!という日がありました。
また、非常勤の場合、担当は多い方で1週間に3~4日、少ない方は1~2日、ご本人の希望で決められます。
ただ、希望が100%通る訳ではありません。
非常勤の先生方の人数や、クラス数により、希望の日数より少ない配置もあります。
たくさん働きたい方には物足りなさを感じてしまうかもしれません。
そのため、日本語学校を掛け持ちする先生方もいらっしゃいます。
掛け持ちのメリットは、いろいろなやり方を勉強できることや、多くの先生と知り合いになれることです。
デメリットは、授業準備が複雑になることです。
学校によって方針やテキストが違うので、準備に時間がかかってしまいます。
初心者の方には大変かもしれません。
初心者の方は、最初は1つの学校で週に2日くらいから始めると、授業準備に追われる!なんてことにならないと思います。
また、最近では非常勤&オンライン講師という選択肢ができました。
自分のペースで働くことができるので魅力的ではありますが、オンライン講師の場合は自分のレッスンに生徒を確保できるまでは大変かもしれません。
比較2 仕事
専任、それとも非常勤?を考えるうえで一番重要なのが何がしたいか?ということです。
専任を短い期間でやめていかれる方は、教えることだけをしたいと考えている方が多いように思います。
専任で働く場合、授業だけをすればいいという訳ではありません。
むしろそれ以外の業務の方が多かったりします。
専任の位置づけは学校側の人間ということになります。
そのため、学校の運営に携わり、学校を盛り上げていく気持ちが必要となります。
専任の仕事はというと、
- カリキュラム作成
- クラス編成
- 担任業務
- 学生の生活&進路指導
- イベントや式典企画
- 各種試験申し込み
- 寮の整備&掃除
- 受け入れ業務
- 講師採用
- 新人講師の教育(教案指導・授業見学)
- 来客対応(進学先・アルバイト関係)
など、まだまだたくさんのことがあります。
留学生の日本語力向上と日本で困ることなく生活できるサポートをするため、留学生と深く関われます。
これが、面白そう!と思う方はぜひ専任を目指してください。
反対に、面倒くさそう…と思う方は非常勤としての働きかたの方がいいかもしれません。
専任を辞められる方は、「こんなことをするために日本語教師になった訳じゃない。日本語だけを教えたい。」と考える傾向があります。
一方、非常勤の仕事はというと、教えることになります。
学校によってはキャリアのある非常勤の先生に担任をお願いし、学生の進路にも携わってもらう所もあるようですが、基本授業をしっかりやっていただくことが仕事となります。
しかし、学校の方針通りに授業計画をしていかなければならないので、オリジナリティのようなものはだせません。
決められた範囲内で担当コマを工夫する程度になってしまいます。
比較3 収入
一番重要になるのが収入でしょう。
日本語教師だけで生活をしなけれいけないとなると、ある程度安定した収入を求めたいものです。
全国の日本語教師の待遇の相場をみると、
- 専任講師 :20万円~35万円
- 非常勤講師:1コマ45分~50分で1600円~2500円
地域による差もありますが、資格・能力・経験により差をつけているところが多いようです。
私の学校では常勤の場合、基本給は28万円からスタートします。
そこにみなし残業代2万円、交通費が毎月支給されます。
もちろん賞与も年2回、年度末に3回目が支給されることもあります。
毎年昇給もあります。
土曜日に自宅で授業準備などしなければ、待遇面は悪くはないです。
また、主任のように役職が付くとプラスで手当がつきます。
一方、非常勤は1日4コマで7500円で+交通費です。
授業だけで見れば時給は1875円。
授業前、授業後の拘束時間と、自宅での準備の時間を考えると、人により時給は安くなってしまいます。
一週間に3日、担当コマをもっている先生で4週勤務したと考えた場合の
一か月の収入は9万円です。
これだけで生活を考えている方にとっては少し厳しいです。
プラスで収入を考えなければならなくなります。
また、キャリアによって昇給があるか?というと、残念ながら少ないような気がします。
長く勤めればコマ給がいいかというと、それほどの差がないのが現状です。
日本語教師の時給の安さは度々問題になりますが、改善されるにはまだまだ時間がかかりそうです。
そのため、経験を積まれると専任としての働き方を求めて就活される方も多いですし、養成講座の講師など別のステージに行かれる方もいらっしゃいます。
お世話になっている学校から専任のお話をいただける!という方も中にはいらっしゃいます。
まとめ
専任のメリット
- 安定収入
- 留学生と深く関われる
- 今まで経験したことがないことに挑戦できる
専任のデメリット
- 授業以外の業務が多い
- 休日出勤がある場合もある
非常勤講師のメリット
- 自分で働き方を調整できる
- 教えることだけに専念できる
非常勤講師のデメリット
- 収入が不安定
- 時間外労働(授業準備)が必須
専任or非常勤を考えるとき、収入も重要ですが何がしたいか?がとても重要になります。
ここを間違えると、せっかく日本語教師にデビューしても長続きできなくなります。
自分は日本語教師として何がしたいか?
じっくり考えてみましょう。
ここで疑問に思うのが、新卒で日本語教師になれるか?
養成講座を卒業してすぐ専任になれるか?ということです。
これに関しては、その人次第!と言えるでしょう。
新卒採用に後ろ向きの学校もありますが、私の学校では大学院卒の新卒採用をしたことがあります。
学生時代の経験や、やる気、人柄が評価され採用にいたりました。
また、養成講座卒業後すぐに専任になることも可能です。
養成講座を卒業された方は、社会人経験がある方が多くその経験値と人柄次第では専任からスタートを切ることができます。
実際、私も養成講座卒業後、専任としてスタートを切りました。
私の場合は、講師経験(日本語以外)と学校運営に携わった経験があったからだと思います。
またコロナ禍前の就活だったこともラッキーだったと思います。
ですから、就活のタイミングはとても重要です。
4月、水際対策が緩和されたくさんの留学生が入国し、それとともにたくさんの方が日本語教師としてデビューしました。
秋には10月生の入国があります。
日本語学校ではまだまだ日本語教師を必要としています。
自分にあった働き方を見つけ、ぜひ日本語教師としてデビューしてください。
追記 2022.7
専任のコマ数について最近状況が変わってきています。
週5で授業に入る学校が増えているとのこと。
理由は教員不足。
2022年4月、二年分の留学生が入国してきてどこの日本語学校も教員不足が問題になりました。
非常勤の先生を確保できないため、専任のコマを増やさざるを得ない状況になっています。
私は仕事柄いろいろな日本語学校の先生に話を聞く機会がありますが、どこの学校でも専任の仕事量が増えているような気がします。
いっぱいいっぱいで頑張っている先生方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、学校によって大きな差があるのも事実です。
ある学校では、コロナ禍で時間があったとき、教材のPPTを作りそれを先生方に貸し出すことで授業準備の負担を減らすことができ、また、ある学校では専任の上限のコマ数を決めたり、1日フリーな日を作ることで仕事の効率を上げられたそうです。
一方で、何の対策もなくただ人手不足だからと専任のコマを増やす学校もあるようなので、学校選びの際は慎重に行うべきです。
非常勤をやってみて学校の雰囲気を知ってから専任へチャレンジする方も多いです。
学生のことを想い日々奮闘し続ける先生方を尊敬し、改めて自分も頑張ろうという気持ちになります。
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