留学生の【履歴書】ガイド①個人情報と学歴、職歴を書くとき注意する点

こんにちは、ハルです。

大学や専門学校に通っている留学生の就職指導をどのようにしていますか?

日本人の大学生なら自主的に動く人も多いと思いますが、留学生の場合そうはいきません。

私の勤める学校には日本語科と専門科があり、私は前職で日本人の就職支援をしていたので専門科のキャリアデザインの授業も担当しています。

留学生の就職活動で一番大変なのが履歴書作成です。

留学生にきちんとした履歴書を書かせようとしたらどのくらい時間がかかると思いますか?

先日、日本語科のアルバイト用の履歴書作成で、履歴書の左側の部分、個人情報と学歴・職歴を書かせるのに5時間かかりました。

学生も指導する私もクタクタでした。

そこで、何百人もの日本人の履歴書を見てきた私が留学生向けにポイントを解説します。

第一弾は履歴書の左側の部分、個人情報と学歴・職歴の書き方で注意する点です。

これは就職だけでなく、アルバイトや進学の際の願書指導でも必要となる部分なので、書き方のポイントを押さえて進路指導にお役立てください。

履歴書の基本

一般的な履歴書のフォームで説明していきます。

日付

履歴書を持参する場合は、持って行く日を書きます。
また郵送ならば、ポストに投函する日を書いておくといいです。

ここに西暦で書いたら、後から出てくる学歴の年号も西暦で書き、和暦で書いたら、和暦に統一します。
留学生なので西暦で書かせましょう。

郵送する場合は、必ず郵便局の窓口で切手を買わせましょう。
その際、いつ届くかも確認しておいたほうがいいです。

最近は配達に少し時間がかかることもあるので、締め切り日ぎりぎりに出す留学生は注意が必要です。

進学の願書などの場合は簡易書留で出した方が安心です。
学校によっては指定されることが多いので指定がある場合は必ず従いましょう。

名前

パスポート通りに書かせます。
振り仮名はローマ字の上にバランスよく書かせましょう。

振り仮名の基本的なルールは、
ふりがな と書かれた場合→ひらがなで書く
フリガナ と書かれた場合→カタカナで書く

しかし、留学生の名前の読みを平仮名で書くと読みにくいし分かりづらいので、私の学校ではオリジナルの履歴書を用意し、振り仮名はカタカナにしています。

学校で用意するなら、カタカナの振り仮名にするのがおすすめです。

メールアドレス

メールアドレスの書き方は特に注意が必要です。

学生にアドレスを書かせると「n」なのか「m」なのか「r」なのか読めない字が多いです。相手が読めなければ合否連絡や、次の試験の日程の連絡が届きません。

ここはチェックし、教師が読めないような字は直させましょう。

生年月日

生年月日を書く際、4月を04月のように書く学生が多いですが、日本では「0」を書かないことを教えましょう。

また「9」を平仮名の「の」のように書く人、「7」に「\」を付け加える人がいるので正しい書き方に直させましょう。

写真はスーツ姿で

多くの留学生は国で撮った証明写真を持っています。

しかし、残念ですがその写真は履歴書には向いていません。

私服で撮っているのと、撮影時期がいつなのか?現在の顔と大きく違うものもあります。
履歴書の写真は3ヶ月以内というルールがあるのであまり古い写真は使わない方がいいです。

また、きちんとした印象を与えるためにもスーツ姿のものがいいです。

毎年、専門科に出願してくる願書を見ていても、スーツ姿の写真を貼っている学生は少ないです。

ですから、その中でスーツ姿の証明写真が貼ってあるだけで好印象になります。

私の学校では進学や就職前にスーツの身だしなみチェックをして、その時に履歴書用の写真を撮ります。

今は便利なアプリがあり、携帯で撮った写真が証明写真に変換され、コンビニでプリントアウトできます。

手軽にできるので留学生にはおススメです。
特に人気があるのがこちらのアプリです。

履歴書カメラ
AppStore
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%B1%A5%E6%AD%B4%E6%9B%B8%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9/id919409463

GooglePlay
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.recruit.rirekisyocamera.android&hl=ja&gl=US

スーツ姿で撮った証明写真はきれいに指定サイズにカットし、裏に名前を書かせます。
適当に切る学生が多いので気をつけましょう。

また、名前を書く際ボールペンで強く書くと表面に凹凸ができるので注意。
カットした写真は写真欄からはみ出さないようにまっすぐ貼ります。
間違っても斜めにならないように。

住所・フリガナ書きが意外に難関?

意外ですが住所欄が上手に書けない学生が多いです。

ですから、いきなり履歴書に書かせてはいけません。
先ずノートに練習させましょう。

住所は在留カードに書かれている通りに書きます。
〇丁目△番地の〇のように省略せずに書きます。
アパート名もきちんと書きましょう。

気をつける点は、最初の文字と最後の文字の大きさが同じであること。
留学生あるあるですが、最初は大きく書き始め、スペースが足りなくなり急に小さな字に変わる!なんてことが多々あります。

また、漢字のバランスには気をつけましょう。
偏と旁が離れすぎてしまうと、一つの漢字として分かりずらくなります。

日本語学校のときから、漢字のバランスは注意して指導したいものです。
専門科の学生でも、おかしな字を書く学生が意外に多いです。

ノートで何回か練習してから履歴書に書かせましょう。

日本語科の学生の場合なら、履歴書の欄と同じスペースの欄を用意して練習させるのも一つです。

私の学校では、入国後、名前、住所、学校名の練習をさせます。
アルバイトや銀行の口座開設で最低限必要になるからです。


学歴・経歴の書き方

先ず一行目、中央に学歴と書きます。

次に、高校卒業から書かせましょう。
その際、年号、月を必ず調べさせて正しいものを書かせましょう。

留学生の中には、自分が何年に学校に入学し、卒業したか覚えていない学生がいます。
進学の際の願書にも学歴を書く場合がありますが、間違っても適当に書かせてはいけません。

入国の際に日本語学校に提出した履歴書と同じであること、卒業証明書等で確認させて正しい年月日を書きます。

・日本語学校名(入学・卒業)
・専門学校あるいは大学名を書く際は学部やコースまで書かせます。(入学・卒業見込)

一行あけて職歴と真ん中に書きます。

職歴がある場合(アルバイトは書かない)は会社名を書き、ない場合は「なし」と書きます。

全部書いたら、右端に以上と書きます。

資格は正式名称で書く

資格・免許欄は先ず免許から書くルールがあります。

運転免許証がある場合、普通自動車第一種免許・取得と書きます。

次に資格を書きます。
資格は合格したものを古い順に書いていきます。

JLPTは日本語能力検定試験のように正式名称で書きます。
日本語能力検定試験N3・合格と書けばいいです。
レベルは高いものを一つだけ書きます。

資格欄に何も書くことがない場合は、「○○資格取得に向けて勉強中」と書いてもいいでしょう。

免許は取得。
資格は合格と書くのが一般的です。

まとめ

履歴書の左側部分は、自分のことを書くので難しくないように思いますが、結構時間がかかります。

履歴書に書く場合は、先ず鉛筆で下書きをさせてから、ボールペンで書いた方が失敗が減ります。

間違えた場合は書き直すことが鉄則なので、いきなりボールペンで書くと何枚も履歴書が必要になります。

また、ボールペンも書きやすいものを1本用意させた方がいいです。
おススメは、ジェットストリーム0.5ミリです。

高いものではないので「このボールペンが書きやすいですよ。」と教えると買ってくる学生もいます。

ここで一つ注意ですが、留学生の中には途中でボールペンを替える人がいます。
前は友達に借りたボールペンを使い、今日は自分のボールペンを使う!なんて人もいますが、絶対にやめましょう。

途中でボールペンを替えると、見たときにすぐに分かります。

また、下書きはよく消える消しゴムできれいに消します。
間違ってもシャーペンの上についている消しゴムで消す!なんてやめさせてください。
消している最中にぐちゃっとならないようにも気をつけさせましょう。

履歴書をただの申し込み用紙くらいと思っている留学生が多いですが、履歴書は自分の代わりに一番に面接を受ける重要なツールになります。

ですから、写真は印象のいいもの、字は丁寧に書く、折れや汚れをつけないことが大切であることを留学生に理解させましょう。

進学の際の願書も同じです。
第二弾では、履歴書の要、自己PRの書き方を説明します。

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